ケーブルテレビの取材で緊張した面持ちの 中原健輔君 |
木や土等の自然素材で作られる伝統的な日本古来の木造軸組工法は、世界最古(約1400年前)といわれる法隆寺を筆頭に、その技術は世界最高水準とも言われています。残念ながら最近の住宅では、木造軸組工法といってもほとんどが柱などを隠してしまう工法になっていて、木材も工場で自動的に加工されるため、鑿(のみ)や鉋(かんな)等の道具を使わず組み立てるだけで完成してしまいます。これでは、世界最高水準と謳われた伝統技術を継承することが出来ません。日本古来の伝統技術を継承し、人格・見識に優れた次代を担う大工技能者の育成が急務となり、「大工育成塾」が開設されました。 「大工育成塾」というのは、師弟制度による修行経験を通じて日本の職人文化・ものづくり文化の再興を担う人材を育成するための国家プロジェクトとして、国土交通省が支援し、(財)住宅産業研修財団が運営している事業です。 受入工務店は、経験豊富な優れた棟梁と現場修行に適した住宅建設現場をもち、適切な安全管理を行っていることが選定の基準となり、2006年7月現在、全国で216件、大阪塾(関西圏)では58件の工務店が、技能・技術を継承する棟梁が所属し、後継者を育てる意欲が高いと認められ、実技研修業務請負契約を結んでいます。同社には、第4期塾生として中原健輔君(22歳)が配属され、山本裕棟梁の下で修行に挑んでいます。
西上孔雄(一級建築士) |